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「夜明けの祈り」 [映画(新作)]

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LES INNOCENTES
THE INNOCENTS
2016フランス/ポーランド

監督:アンヌ・フォンテーヌ
出演:ルー・ドゥ・ラージュ、アガタ・ブゼク、アガタ・クレシャ、ヴァンサン・マケーニュ、ヨアンナ・クーリグ、エリーザ・リチェムブル、アンナ・プロフニアク、カタジナ・ダンブロフスカ、トーマ・クマン


 第二次世界大戦直後のポーランド。赤十字の医療施設で働くフランス人女医マチルドの元を一人のシスターが助けを求めて訪れる。シスターがマチルドを案内した修道院では少女が陣痛で苦しんでいた。帝王切開で母子を救ったマチルドは、その修道院で、ソ連兵によって暴行を受け妊娠した多くの修道女たちを目の当たりにして愕然とする。

 誰に訴える事もせず、ただ神に赦しを請うため祈りを捧げる彼女たちを救うため、マチルドは修道院に通いつめる。


 犠牲者であっても、本人に非がなくても、性的に堕落したとして女性だけが責められるカトリックの理不尽な教義は、映画「マグダレンの祈り」や「あなたを抱きしめる日まで」を思い出します。宗教については良く解りませんが、信仰によって人間の魂が救われる一方で、本作のように現実的に女性たちが追い詰められて行くところが切ない。本作の修道院長が象徴する信仰の暴走は本当に怖いと思いました。

 衝撃的な帝王切開のシーン、凄惨な暴行現場(直接的な映像はありませんがマチルドが兵士に襲われるシーンで想像させられます。)、苦境に立たされる女性たちの心情を想像して、気分が悪くなってしまいました。

 しかし、やりきれない話ではありますが、行き場もなく絶望の中にいる修道女たちの心に寄り添うマチルドの献身的な援助。それによって救われて行く女性たちの姿が希望を感じさせてくれます。

 マドレーヌ・ポーリアックというフランス人医師をモデルにした実話です。信念を貫くマチルドの勇気に感動し、命の尊さや人間の尊厳について深く考えさせられる作品でした。

 美しい映像と、寒々とした修道院に響く聖歌が、修道女たちとマチルドの崇高な魂そのものに思えて、強く胸を打たれました。

☆☆☆☆


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コメント 4

のらん

私は、「あなたを抱きしめる日まで」を観て、はじめて、こんな考え方の修道院がある、ということを知りました。キリスト教は、あまねく人々を平等に愛し、許し、敬うものだと思っていたのだけれど・・・

by のらん (2017-08-19 12:32) 

coco030705

こんばんは。
キリスト教でもカソリックは特に戒律が厳しいですよね。離婚も許されていません。もともと人間は間違いを起こすものだから、それを厳しく律することによって、間違いを起こさせないようにして幸福に導こうという考え方なんだと思います。でもやはりそれは、自然な人間にはあわなくなったので、プロテスタントが生まれたのでしょうね。
この映画はぜひ観たいと思います。
by coco030705 (2017-08-20 22:48) 

Naka

のらんさん
nice!&コメントありがとうございます。
「あなたを抱きしめる日まで」もやるせないお話でしたね。
本作では、1人の医師によって苦しむ女性たちが救われて行く様に少しほっとしました。
by Naka (2017-08-20 23:47) 

Naka

cocoさん
nice!&コメントありがとうございます。
時に信仰は女性にとって苦難ですね。
主人公を演じた女優も良かったですし、
信念を貫く彼女と、
強く生きるシスターたちがとても美しかったです。
心に残るいい映画でした。
by Naka (2017-08-20 23:56) 

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