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「シェイプ・オブ・ウォーター」 [映画(新作)]

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THE SHAPE OF WATER
2017アメリカ

監督・脚本:ギレルモ・デル・トロ
出演:サリー・ホーキンス、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・スタールバーグ、オクタヴィア・スペンサー、デヴィッド・ヒューレット、ニック・サーシー


 米ソ冷戦時代のアメリカ。口の利けない女性イライザが掃除婦として働く政府の極秘研究所に、ある日不思議な生きものか運び込まれる。水槽に繋がれたその人魚のような怪物に魅せられたイライザは、秘かに水槽に通い彼と心を通わせて行く。

 そんな中、研究のために怪物を生体解剖する計画を耳にしたイライザは彼を救う決意を固める。一方で、アメリカの研究を阻止しようとソ連のスパイも怪物の抹殺を企んでおり・・・。


 社会の片隅で生きる孤独な女性と、心ない人間に虐げられる異形の怪物の、切なくも美しい純愛を描いたファンタジーです。

 美しい映像と音楽に引き込まれる。水中で愛し合うイライザと怪物、窓の雨粒を捉えた映像など、素敵なシーンが沢山ありました。イライザが帽子を枕にバスの窓にもたれるシーンも印象的でした。

 うす暗い研究所、イライザのアパートの寂しげな風景の中に効かせた緑や赤の色彩に心がざわつきます。


 一歩間違えればグロテスクでしかないところを踏み留まって、甘美なお伽噺に昇華させているのは、怪物の造形の上手さとサリー・ホーキンスの演技による所も大きいと思いました。

 怪物を演じたダグ・ジョーンズも良かったし、イライザの友人でゲイの画家を演じたリチャード・ジェンキンス、同じく友人で人情味ある同僚役のオクタヴィア・スペンサーもいい。敵役ながら政府の圧力に追い詰められる悲哀を演じたマイケル・シャノンの怪演も光ります。


 細部に拘るギレルモ・デル・トロ監督の演出は素晴らしいの一言。イライザの境遇は、王子の側で暮らすために声を失ったアンデルセン童話の「人魚姫」を連想させます。監督は、かなり繊細でロマンティックな人なのだろうと思いました。

 デル・トロ監督ののオスカー受賞時のスピーチは感動的でした。

☆☆☆☆



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「しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」 [映画(新作)]

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MAUDIE
2016カナダ/アイルランド

監督:アシュリング・ウォルシュ
出演:サリー・ホーキンス、イーサン・ホーク、カリ・マチェット、ガブリエル・ローズ、ザカリー・ベネット、ビリー・マクレラン


 カナダの女性画家モード・ルイスの人生を、夫エベレットとの愛の軌跡とともに描き出した伝記映画。サリー・ホーキンスとイーサン・ホークの味わい深い演技に引き込まれました。


 リウマチで手足が不自由ながら、独学で生涯絵を描き続けたモード。絵の具を混ぜないで自然の風景や身近な生き物を描いた素朴な作風はとても暖かみがあります。

 親戚の家で厄介者扱いされていた彼女ですが、たまたま見つけた求人で独り者の魚の行商人エベレットの小さな家に家政婦として住み込んでから、人生を大きく変えて行きます。

 口下手で粗暴な性格のエベレットと度々衝突しますが、彼はモードが絵を描くことは決して止めなかった。それが彼のすごい所で、お互い運命の相手だったとしか思えません。


 やがて二人は結婚し、モードの絵が売れ始めても慎ましい生活を変えることなく支え合って生きて行きます。

 乱暴な言葉でモードの心を傷つけてしまうこともある無器用なエベレットだが、働き者で家事も手伝うなど根は優しい。彼女が絶望にうちひしがれた時には、そっと彼女の痛みに寄り添います。


 生活は貧しくても、言葉にしなくても、深い愛が感じられる素敵な夫婦の形に心が温まる。モードの絵が心に響くのは、彼女の愛と幸福な想いがいっぱい詰まっているからだと思いました。素敵な映画でした。

☆☆☆☆



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「グレイテスト・ショーマン」 [映画(新作)]

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THE GREATEST SHOWMAN
2017アメリカ

監督:マイケル・グレイシー
音楽:ジョン・デブニー、ジョセフ・トラパニーズ
楽曲:ベンジ・パセック、ジャスティン・ポール

出演:ヒュー・ジャックマン、ザック・エフロン、ミシェル・ウィリアムズ、レベッカ・ファーガソン、ゼンデイヤ、キアラ・セトル、ヤーヤ・アブドゥル=マティーン二世、エリス・ルービン、サム・ハンフリー、ポール・スパークス、ナターシャ・リュー・ボルディッゾ


 19世紀半ばに実在したアメリカの興行師P・T・バーナムの半生を描いたミュージカル作品。貧しい境遇で育ったバーナムが、幼馴染みの裕福な家庭の娘チャリティと駆け落ち同然に結婚し、愛する妻と娘のため、ショービジネスの世界で紆余曲折を経て成り上がって行く物語です。


 「ラ・ラ・ランド」でアカデミー賞作曲賞、歌曲賞を受賞した音楽チームが集結という触れ込みです。その期待を裏切らない、歌とダンスの豪華なショーの数々に引き込まれました。

 社会的弱者を利用して金儲けに走る主人公にはなかなか共感できなかったが、ヒュー・ジャックマンの歌、ダンス、演技は文句なく素晴らしかった。流石です。

 大女優の貫禄を感じさせるミシェル・ウィリアムズが主人公の妻を好演。彼女は「キャバレー」など舞台でも活躍しているようなので、もう少し歌と踊りを観たかった気もします。

 ビジネスパートナーとなるフィリップを演じたザック・エフロンがとても良かった。フィリップは誠実な好青年で、中盤から主役かと思う活躍ぶり。恋に落ちた空中ブランコ娘(ゼンデイヤが魅力的。)とのダンスシーンはロマンティックで素敵でした。

 スウェーデン人の歌姫を演じたレベッカ・ファーガソンの美しい容姿と歌声も印象に残ります。「ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション」で女スパイを演じた女優だと後で知りました。


 主題歌This Is Meは平昌オリンピックのフィギュアスケートのエキシビションでも使われていましたが、今年のアカデミー賞の歌曲賞にノミネートされています。この曲に合わせて個性的なメンバーが集まり一斉に歌い踊るパフォーマンスは圧巻でした。

 人間ドラマの描写がやや雑なのは仕方ないとして、ミュージカルの舞台を観ている感覚でワクワクしながら心底楽しめる、元気になれる映画でした。

☆☆☆☆



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「キングスマン:ゴールデン・サークル」 [映画(新作)]

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KINGSMAN: THE GOLDEN CIRCLE
2017イギリス

監督:マシュー・ヴォーン
原作:マーク・ミラー、デイヴ・ギボンズ
出演: コリン・ファース 、ジュリアン・ムーア 、タロン・エガートン 、マーク・ストロング 、ハル・ベリー、 ジェフ・ブリッジス 、ペドロ・パスカル 、エドワード・ホルクロフト 、ソフィー・クックソン 、エルトン・ジョン 、チャニング・テイタム 、ハンナ・アルストロム、 ポッピー・デルヴィーニュ、 ブルース・グリーンウッド、 エミリー・ワトソン、 マイケル・ガンボン、 ビヨーン・グラナート、 キース・アレン


 オープニングの迫力あるカーチェイスから興奮しました。

 麻薬組織“ゴールデン・サークル”による攻撃で“キングスマン”の組織が壊滅。残った二人のメンバー、エグジーとマーリンは、アメリカに渡り同盟組織“ステイツマン”と合流し、ゴールデン・サークルの陰謀に立ち向かう。


 ユーモアを含んだスタイリッシュなアクション、『え、この人も出てるの!?』という豪華な俳優陣。悪ノリし過ぎ?なシーンもありますが、総じてカッコ良く面白く、140分があっという間の痛快な映画でした。楽しい小ネタの数々に思わず笑いがこみ上げます。

 前作で死んだと思ったハリー(コリン・ファース )が復活。颯爽としたスーツ姿での華麗なアクションは、やはりキングスマンにはこの人がいなくては、と思わせられます。彼はキャラクターの中で一番カッコ良かった。

 ステイツマンのエージェント、ウィスキーの投げ縄を使ってのカウボーイアクション(ペドロ・パスカルがとてもいい味を出しています。)、雪山のケーブルカーを利用したアクションも楽しいし、工夫を凝らしたスパイガジェットにワクワクしっぱなしでした。改造車、ハイテクロボットと、よくこれだけ盛り込んだなぁという忙しさ。ノリのいい音楽もテンションが上がります。

 悪役ポピーを不気味に演じるジュリアン・ムーア、意外な活躍を見せる本人役エルトン・ジョン。これまたスーツ姿が決まっていて、カントリー・ロードの歌まで披露するマーリン役のマーク・ストロングとか、見所満載です。もちろん頼もしく成長したエグジー(タロン・エガートン)の活躍も。

 いかにもアメリカンなテキーラ役のチャニング・テイタムの活躍は少なかったですが、これは次回のお楽しみということでしょうか・・・。


 ずっと観たいと思っていたのですが、やっぱり劇場で観て良かったです。

☆☆☆☆

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「ブルーに生まれついて」 [旧作(DVD・TV)]

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BORN TO BE BLUE
2015アメリカ/カナダ/イギリス

監督:ロバート・バドロー
出演:イーサン・ホーク、カーメン・イジョゴ、カラム・キース・レニー、トニー・ナッポ、スティーヴン・マクハティ、ジャネット=レイン・グリーン、ケダー・ブラウン、ケヴィン・ハンチャード


 WOWOWで鑑賞しました。

 1950年代にトランペットと歌で一世を風靡した伝説のジャズミュージシャン、チェット・ベイカーの転落と再起の半生を描いた映画です。この人物、恥ずかしながら今作で初めて知りました。


 絶大な人気を博すも麻薬依存で度々逮捕されるなどトラブル続きのチェットは、ある日麻薬絡みの暴力事件に巻き込まれ顎を砕かれ前歯を全て失ってしまう。トランペッターとして致命傷を負い、再起不能と思われたチェットだったが、彼は薬物の誘惑を断ち、再び表舞台に返り咲く決意を固める。

 チェットを演じるイーサン・ホークの演技が素晴らしくて圧倒されました。繊細で今にも壊れそうな存在感。退院直後に血だらけでトランペットを吹く衝撃的なシーンの後、苦痛に耐えながら練習を重ねる姿、プライドを捨ててまで演奏したいという想い。肉体も精神も傷だらけの彼を見ていて胸が苦しくなりました。

 それでいてチェットには無邪気な一面もあり、イーサンが不思議な色気を纏っています。チェットの再起を支える恋人ジェーンが彼を放っておけないのも良くわかる。常に儚さが漂う二人の絆は切ないけれど、胸を打たれました。


 本編中ジャズの名曲の数々がたっぷり聴けます。チェットが、苦しそうに、悲しそうに、歌い奏でる演奏と歌は素晴らしかった。

 My Funny Valentine、I've Never Been In Love Beforeは、イーサンが実際に歌っていて、脱力したような歌い方と表情がとてもセクシーです。トランペットはケビン・ターコットの演奏に吹き替えられていますが、イーサン自身も半年レッスンしたそう。ちなみにチェットの歌い方を聴いてジョアン・ジルベルトがボサノバを生みだしたという逸話もあります。


 全編に絶望感ともの哀しさが漂い、度々挟まれるモノクロの回想シーンがとてもロマンティックでした。

 チェットの破滅型の人生に惹かれてしまうのも事実ですが、ただ薬物の力を借りなくても人々の心を揺さぶる音楽が残せた人だと思いたい。

 イーサン・ホークは昨年観た「マグニフィセント・セブン」「マギーズ・プラン 幸せのあとしまつ」の演技も良かったし、ますます脂が乗っている俳優だと思います。3月公開の「しあわせの絵の具 愛を描く人モード・ルイス」も気になります。

☆☆☆☆

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「スリー・ビルボード」 [映画(新作)]

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THREE BILLBOARDS OUTSIDE EBBING, MISSOURI
2017イギリス/アメリカ

監督/脚本:マーティン・マクドナー
出演:フランシス・マクドーマンド、ウディ・ハレルソン、サム・ロックウェル、アビー・コーニッシュ、ジョン・ホークス、ピーター・ディンクレイジ、ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ、ルーカス・ヘッジズ、ケリー・コンドン、サンディ・マーティン


 ある日、ミズーリ州の田舎町の道路脇に3枚の立看板が出現する。娘を何者かに殺された母親ミルドレッドが掲げた、7ヶ月が過ぎても全く捜査が進展しない警察への非難のメッセージだった。
 看板を発端に、ミルドレッド、警察所長ウィロビー、その部下ディクソン、そして町の住人たちの間に不穏な空気が広がって行く。


 監督のマーティン・マクドナーは元々劇作家として有名な人らしい。彼の手による脚本がとにかくユニークで素晴らしいと思いました。暴力や差別といった現代社会の問題を織り込みながら、緊張感いっぱいに物語が進行して行き、予想外の展開の連続に目が離せなかった。

 ミルドレッドを巡る人間関係が丁寧に描写され、登場人物たちの怒りの矛先が思わぬ所に及び、様々な感情がぶつかり合います。

 そこには負の感情だけでなく、不意に彼らの心が癒される瞬間もあり、その一瞬がとても愛おしい。見逃してしまいそうな微妙な心の揺れ加減がとても良かった。適度なユーモアのセンス、いくつかの動物を使ったシーンなど、細やかな演出も効いていました。


 怒りの奥に深い悲しみや弱さを抱えるミルドレッドをフランシス・マクドーマンドが絶妙なバランスで演じています。彼女は「ファーゴ」「ミシシッピー・バーニング」をはじめ、どの作品でも特別な印象を残す好きな女優ですが、本作では西部劇に出て来る哀愁漂う凄腕のガンマンのような捨て身の格好良さに惚れ惚れしました。

 サム・ロックウェルの繊細かつパワフルな演技にも引き込まれます。頭が悪そうでキレやすく最低の巡査ディクソンがどのように変化して行くかは最大の注目点です。加えて演技力抜群のウディ・ハレルソンの安定感。3人のアンサンブルが濃厚な人間ドラマをより深いものにしていました。

 今年のアカデミー賞では、マクドーマンドが主演女優賞に、ハレルソンとロックウェルが揃って助演男優賞にノミネートされているので、来月の授賞式が楽しみです。本作は他に作品賞、脚本賞など計6部門にノミネートされています。


 様々な感情のせめぎ合いの後でのラストの台詞にやられました。このラストシーンを味わうために、また最初から観直したくなるほど。人間の心は何て複雑で奥深いのだろうと、改めて驚かされる映画でした。

☆☆☆☆



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「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」 [映画(新作)]

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STAR WARS: THE LAST JEDI
2017アメリカ

監督/脚本:ライアン・ジョンソン
出演:マーク・ハミル、キャリー・フィッシャー、アダム・ドライヴァー、デイジー・リドリー、ジョン・ボイエガ、オスカー・アイザック、アンディ・サーキス、ルピタ・ニョンゴ、ドーナル・グリーソン、アンソニー・ダニエルズ、グウェンドリン・クリスティー、ケリー・マリー・トラン、ローラ・ダーン、ヨーナス・スオタモ、ベニチオ・デル・トロ


 やっと観て来ました。

 前作でフォースを覚醒させたレイの更なる成長、伝説のジェダイ、ルーク・スカイウォーカーの復活劇、ダークサイドに堕ちたカイロ・レンの悪役ぶり、ちょっとコミカルなフィンの健闘など見所満載で面白かったです。

 レジスタンス軍の絶体絶命のピンチの連続にはらはらドキドキしっぱなし。ファースト・オーダーとレジスタンスの壮絶な戦いに圧倒されました。

 マーク・ハミル、一昨年に他界したキャリー・フィッシャーの出演には、「スター・ウォーズ」シリーズの壮大なロマンを改めて実感させられます。

 ベニチオ・デル・トロの登場にはゾクゾク、ローラ・ダーンもインパクトありました。

 そしてアダム・ドライヴァー。前作から更に悪役が板について迫力があります。冷酷さの中にどこか悲しみを湛えた姿が良い。レイとカイロ・レンの関係もドラマティックで好きです。

 各登場人物の今後の運命がどう展開して行くのか、次回作も楽しみです。

☆☆☆



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「パディントン2」 [映画(新作)]

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PADDINGTON 2
2017イギリス

監督:ポール・キング
原作:マイケル・ボンド
出演:ヒュー・ボネヴィル、ヒュー・グラント、サリー・ホーキンス、ブレンダン・グリーソン、ジュリー・ウォルターズ、ジム・ブロードベント、ピーター・キャパルディ、マデリーン・ハリス、サミュエル・ジョスリン
声:ベン・ウィショー、イメルダ・スタウントン、マイケル・ガンボン


 お馴染み、善良で礼儀正しくて、ちょっとおっちょこちよいの熊パディントンがロンドンを舞台に大活躍するコメディです。

 ある日パディントンは、骨董品店で見つけた1冊の飛び出す絵本に魅了されます。大好きなルーシーおばさんにその絵本を買ってプレゼントしようと、彼はバイトを始めます。
 実は絵本には宝探しのヒントが隠されていて、それに目をつけた落ち目の俳優ブキャナンが骨董品店に忍び込み絵本を奪って逃走。居合わせたパディントンは窃盗犯の濡れ衣を着せられ刑務所に入れられてしまう。
 彼の無実を信じるブラウン家の人々と共に、刑務所を脱走したパディントンが、真犯人を追って大活躍する、というストーリーです。


 冒頭、ロンドンの街にすっかり馴染みブラウン家の一員として幸せに暮らすパディントンの様子がとても微笑ましい。ストーリー自体は普通でしたが、コミカルなシーン満載で楽しい作品でした。パディントンがとても愛嬌があって癒されます。

 ブキャナンを演じたヒュー・グラントは、滑稽で間抜けなキャラクターを生き生きと演じていて、パディントンの存在感に全然負けていない。エンドロールでは華麗な(?)ダンスも披露しています。

 でも、ヒュー・グラントはやはり「ノッティングヒルの恋人」のようなラブコメでの二枚目役が観たいです。そういえば、ブラウン氏のヒュー・ボネヴィルは「ダウントンアビー」の俳優ですが、「ノッティングヒルの恋人」でも友人役でグラントと共演していました。

 吹き替えで観たのてすが、パディントンの松坂桃李(オリジナルはベン・ウィショー)、ヒュー・グラントの斎藤工が自然な台詞まわしで観やすかったです。

☆☆☆



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「ルイの9番目の人生」 [映画(新作)]

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THE 9TH LIFE OF LOUIS DRAX
2015カナダ/イギリス

監督:アレクサンドル・アジャ
原作:リズ・ジェンセン
出演:エイデン・ロングワース、サラ・ガドン、ジェイミー・ドーナン、オリヴァー・プラット、モリー・パーカー、ジュリアン・ワダム、ジェーン・マグレガー、バーバラ・ハーシー、アーロン・ポール


 両親とのピクニック中に崖から転落した9才の少年ルイ。彼はこれまでも命に関わる重大な事故に8度も遭っていた。
 ルイは一命を取り止めるも昏睡状態に陥り、小児神経科医のパスカルが彼の治療に当たる。ルイの父ピーターは現場から失踪したままだった。
 事件の状況とルイの病状に違和感を覚えたパスカルは、ルイの身辺を調べ始める一方で、美しい彼の母ナタリーに次第に惹かれていく。


 原作はリズ・ジェンセンによるベストセラー「ルイの九番目の命」。

 とてもよく練られたストーリーで、ルイの人生の謎にどんどん引き込まれて行きました。彼は何故崖から転落したのか、昏睡状態の彼に起きる不可解な現象の意味は、ナタリーとパスカルに届いた警告文は誰が書いたのか・・・。ファンタジー的な描写も加わり、非常に好奇心を掻き立てる演出です。


 あまりに悲しい話でしたが、深い愛の話でもありました。最初は大人びて生意気なルイの印象が徐々に変化して、終盤ではもう彼のことがいじらしくてたまらなくなります。聡明だけど、純真で、ある意味とても子供らしい少年だと思いました。

 ルイを演じたエイデン・ロングワースが外見も声も可愛いくて、まさに天使のようです。母ナタリーを演じたサラ・ガドンの美しさも印象的でした。その他の出演俳優も、皆役にはまった演技で良かった。
 
 衝撃的な顛末に暫く呆然となりました。

 ラストの後、シーンのひとつひとつを振り返ると、ルイの心情がありありと見えて一段と切ない。見応えのある映画でした。

☆☆☆☆



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「エンドレス・ポエトリー」 [映画(新作)]

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POESIA SIN FIN
ENDLESS POETRY
2016フランス/チリ/日本

監督・脚本:アレハンドロ・ホドロフスキー
出演: アダン・ホドロフスキー、パメラ・フローレス、ブロンティス・ホドロフスキー、レアンドロ・タウブ、アレハンドロ・ホドロフスキー、イェレミアス・ハースコヴィッツ


 今年の劇場観賞1作めの映画です。

 アレハンドロ・ホドロフスキー監督の作品はかつて「エル・トポ」「ホーリーマウンテン」と観て、映像の圧倒的パワーと映画の無限の可能性に衝撃を受けました。理解出来ない表現も多々ありましたが・・・。

 3年前に観た「リアリティのダンス」は相変わらず毒のある手法ながら、心に響く美しい作品でした。本作はそれに続く、アレハンドロ監督の若かりし日々を描いた自伝となっています。人間賛歌のエンターテイメントとして素晴らしいし、芸術としての映画に徹した作品でもありました。


 撮影はクリストファー・ドイル、衣装はホドロフスキー夫人が担当。また、息子アダンとブロンティスが若きアレハンドロとその父親を演じていて、アダンは音楽も担当しています。監督自身も(未来の)老いたアレハンドロ本人として出演しています。

 抑圧的な父親に反発し、さまざまな出逢いを経験しながら、詩人として生きる覚悟を固めるまでの青年アレハンドロの葛藤が描かれていました。実際に当時暮らしていたチリの街で撮影が行われたとのこと。


 彼は自らに問いかけます。人は死に向かって全てが無になるのに、生きる意味はあるのか・・・と。老いたアレハンドロは、ただ生きることが答えだと説きます。苦悩する過去の自分に、現在のアレハンドロが語りかける言葉には説得力がありました。

 超個性的な登場人物たち。艶やかな色彩と生々しい描写の連続。本作でもホドロフスキー監督は攻めまくっています。88才とは思えない瑞々しさで、頭に浮かんだイメージをそのまま映像にしてしまう自由さ。好き嫌いを超越して、シーンのひとつひとつが驚きでした。眠っている感覚を呼び覚まされるような不思議な世界に引き込まれます。家族を動員しての自伝という形をとりながらも、普遍的なテーマと芸術的な表現で、とても興味深い映画となっていました。


 クラウドファンディングで1万人以上から資金を集めて制作されたという。出資者がクレジットされたエンドロールはホドロフスキー監督のカリスマ性を物語っていて壮観でした。

☆☆☆☆


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