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「ウインド・リバー」 [映画(新作)]

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WIND RIVER
2017アメリカ

監督・脚本:テイラー・シェリダン
出演: ジェレミー・レナー、エリザベス・オルセン、ジョン・バーンサル、グレアム・グリーン、ケルシー・アスビル、ギル・バーミンガム、ジュリア・ジョーンズ、マーティン・センスマイヤー、テオ・ブリオネス

 ワイオミング州にあるネイティブアメリカンの保留地、ウインド・リバーが舞台です。

 ある日雪の上に横たわる若い女性の死体が発見され、FBIから一人の新米女性捜査官ジェーンが派遣される。現地で暮らす白人ハンター、コリーの協力を得て捜査が続く中、やがて凄惨な事件の全容が明らかになって来る。


 雪に閉ざされた陰鬱な社会で、人間の尊厳が奪われて行く様が、厳しい視点で描かれていました。殺人事件の捜査の行方を追いつつ、見えて来るのは根底にあるネイティブアメリカンや女性に対する差別や軽視。アメリカ社会の深い闇に触れた思いがして怖かったです。

 「アベンジャーズ」でも共演しているジェレミー・レナーとエリザベス・オルセンの演技がじっくり観られたのは嬉しかった。二人の深みのある演技に終始引き込まれました。


 閉塞感漂う雪深い極寒の風景は、それだけでもの凄い緊迫感です。息が詰まる銃撃戦のシーンには圧倒されました。

 重厚な人間ドラマです。鬱屈した人間の悲しみや怒り、狂気を、鋭く抉り出したテイラー・シェリダンの脚本と演出が見事でした。(彼は「ボーダーライン」「最後の追跡」の脚本で有名になった元俳優だそうです。)
☆☆☆☆

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「カメラを止めるな!」 [映画(新作)]

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2018日本

監督・脚本:上田慎一郎
出演:濱津隆之、真魚、しゅはまはるみ、長屋和彰、細井学、市原洋、山崎俊太郎、大沢真一郎、竹原芳子、吉田美紀、合田純奈、浅森咲希奈、秋山ゆずき、etc.


 上映劇場が拡大されるほどの評判らしいので気になっていた作品。TOHOシネマズ日比谷でも公開が始まったので観て来ました。

 インディーズで活躍して来た上田慎一郎監督による初の長編映画。監督&俳優養成スクール・ENBUゼミナールの“シネマプロジェクト”第7弾の作品だそうです。出演は、オーディションで選ばれた無名の俳優ばかりとのこと。


 37分のワンカットシーンから始まります。ゾンビ映画の撮影現場。そこに本物のゾンビが現れ、スタッフたちに襲いかかる。”カメラを止めるな!”と、監督の日暮は嬉々として撮影を続けるが・・・。

 詳しくは書けませんが。とにかく何度も笑わされ、それでいて最後はジーンと来て感動すらしました。

 上田慎一郎監督の練り込まれた脚本がとても面白い。各登場人物の描写と、伏線の張り方が絶妙です。

 斬新な映画。しかも映画への愛が溢れていて幸せな気持ちになれる映画でした。ただし、三半規管が弱い人は要注意です。

☆☆☆☆


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「ミッション:インポッシブル/フォールアウト」 [映画(新作)]

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MISSION: IMPOSSIBLE - FALLOUT
2018アメリカ

監督・脚本:クリストファー・マッカリー
原作:ブルース・ゲラー
出演:トム・クルーズ、ヘンリー・カヴィル、ヴィング・レイムス、サイモン・ペッグ、レベッカ・ファーガソン、ショーン・ハリス、アンジェラ・バセット、ヴァネッサ・カービー、ミシェル・モナハン、アレック・ボールドウィン

 シリーズ6作目です。

 圧巻のアクションでした。前作も凄かったけど更に進化した感じです。画像はお気に入りのサイモン・ペッグ版のちらしで(^^。


 車にバイク、スカイダイビングにヘリコプターの操縦まで。何でもこなすトム・クルーズ=イーサン・ハントが最高に格好良い。ビルからビルへ全力で走って飛んで。空から落ち、崖から落ち・・・。今年56歳にしてトムのこの身体能力、呆気に取られるくらい驚きの連続でした。アップになった時の顔も若々しくてびっくりです。

 今回のミッションは、3つのプルトニウムを奪取し、史上最悪の核爆発テロを阻止するというもの。敵味方が入り乱れ、騙し騙されの緊迫の駆け引きにゾクゾクしました。

 出演者も豪華。CIAからの監視役ウォーカーをヘンリー・カヴィルが好演。IMF新長官のアレック・ボールドウィンも良かったし、ルーサー=ヴィング・レイムス、ベンジー=サイモン・ペッグのお馴染みメンバーの大活躍はワクワクしました。

 前作に続き出演のMI6の女スパイ、イルサ=レベッカ・ファーガソンが美しくて格好いい。元妻のジュリア=ミシェル・モナハンも登場し、イーサンとそれぞれの女性との関係性もぐっと来ます。


 最初から最後までスリルの連続で、休む暇なくテンションが上がりっぱなしでした。ノンストップで繰り広げられる大迫力のアクションが一番の見所ですが、ユーモアも効かせながら各キャラクターをしっかり描いてあるので、ドラマ的な部分も存分に楽しめました。

☆☆☆☆



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「オリジン」ダン・ブラウン [本]

オリジン 上

オリジン 上

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/02/28
  • メディア: 単行本

オリジン 下

オリジン 下

  • 作者: ダン・ブラウン
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/02/28
  • メディア: 単行本

 お馴染み、ダン・ブラウンによる宗教象徴学者ロバート・ラングドンが主人公のシリーズ5作目です。

 今回の舞台はスペイン。宗教と科学の立場を巡る殺人事件に遭遇したラングドン教授が、人類の起源の謎に迫ります。

 われわれはどこから来たのか。どこに向かうのか。この人類最大の謎に対する答えを公表しようとしたラングドンの元教え子でコンピュータ科学者のカーシュが、ビルバオ・グッゲンハイム美術館の発表の席で暗殺される。スペイン王宮や宗教界の関与を疑い、自らも身の危険を感じたラングドンは美術館の女性館長アンブラと逃亡、人工知能ウィストンに助けられながらカーシュの発表を完遂すべく奔走します。


 スピーディーに展開するストーリーにぐいぐい引き込まれる。次々と暗号を解読しながら危機を乗り越えるラングドンの活躍が小気味よいです。カーシュの発表に関連して発生する数件の殺人事件。はらはらどきどきのアクションもあります。

 カサ・ミラ、サグラダ・ファミリアといったガウディの作品、ニーチェやブレイクの引用など登場し、芸術に関するうん蓄の数々がどれも興味深い。

 カーシュの発見が明らかになる場面では、実証の説明や宗教と科学に対する理論が長くて頭が疲れましたが、説得力がありました。人類の未来について考えさせられます。

 最後に明かされる一連の事件の真犯人の正体・・・。予想はついていたものの、震撼させられました。


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「ミレニアム5 復讐の炎を吐く女」ダヴィド・ラーゲルクランツ [本]

ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上

ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 上

  • 作者: ダヴィド ラーゲルクランツ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下

ミレニアム5 復讐の炎を吐く女 下

  • 作者: ダヴィド ラーゲルクランツ
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2017/12/19
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

 背中にドラゴンのタトゥーのある天才ハッカー、リスベット・サランデルがヒロインの犯罪ミステリーのシリーズ5作目です。やっと読むことができました。

 今回のストーリーは、リスベットが自らの子供時代を調査する中で浮かび上がる非人道的な研究の実態を暴いて行くというもの。
 冒頭から女子刑務所に収容されたリスベットが登場し、刑務所内の“悪”に闘いを挑む。その一匹オオカミ的な行動が格好良くて、彼女との再会にワクワクしました。

 本編でもジャーナリストのミカエルがリスベットを助けて奔走します。強い信頼で結ばれた二人の絶妙な距離感がいいです。故ラーソンが築いた世界観を引き継ぎ、リスベットの人物像を更に掘り下げ発展させるラーゲルクランツの筆力が凄いと思いました。

 登場人物が多くて、それぞれに濃厚なドラマがあるので先が気になって仕方がない。テンポ良く場面が切り替わるので、映像が鮮明に浮かんでさくさく読み進めました。


 読み終えた時は痛快感で満たされます。同時に物語が終わった寂しさも感じて、早くまたリスベットに会いたいと思いました。6作目も出版の予定があるらしいので楽しみです。


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「ヒトラーへの285枚の葉書」 [旧作(DVD・TV)]

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ALONE IN BERLIN
2016ドイツ/フランス/イギリス

監督:ヴァンサン・ペレーズ
原作:ハンス・ファラダ『ベルリンに一人死す』
出演:エマ・トンプソン、ブレンダン・グリーソン、ダニエル・ブリュール、ミカエル・パーシュブラント、モニーク・ショーメット、ヨアヒム・ビスマイヤー、カトリン・ポリット、ラース・ルドルフ、ウーヴェ・プロイス、ダニエル・シュトレーサー


  ヴァンサン・ペレーズの名前が懐かしい。出演作を結構観ていました。本作は彼の監督3作目。主演はエマ・トンプソンとブレンダン・グリーソン。ダニエル・ブリュールが共演しています。

 戦争で一人息子を失ったある夫婦が、ナチス政権への批判を書いた匿名の葉書をベルリンの街にこっそり置いて回ります。なかなか捕まらない“思想犯”に苛立つ当局だったが、やがて夫妻に捜査の手が迫り・・・。


 息子の死と、戦争や迫害に苦しむ人々の姿に絶望する夫婦にとって、葉書を書くことが精一杯の抵抗であり、唯一の希望だったと思います。いつ誰かに見つかり通報されるか、スリリングに進行するストーリーに引き込まれます。

 そして緊迫するサスペンスであると同時に夫婦の愛の物語でもありました。原題は Alone in Berlin ですが、孤独な闘いを続けるうちに深まる夫婦の絆は美しくて感動的でした。

 エマ・トンプソンとブレンダン・グリーソンの重厚な演技に圧倒されっぱなし。特にグリーソンは、アイルランド出身の名優で数多くの作品に出ていますが、本作で改めて素晴らしい俳優だと感動しました。渋くて素敵です。最近は彼の息子の一人、ドーナル・グリーソンの活躍もよく目にしますが。

 ダニエル・ブリュールが演じるのは、事件を担当するゲシュタポの警部。その次第に追い詰められ葛藤する姿にも心を打たれました。報告されなかった18通を除いて全ての葉書を読んだのは夫婦以外は彼だけという重み。彼も孤独な一人であり、他にも多くの“彼”がいた筈で、皆が力を合わせれば社会は変えられたかも知れない。だけど理想通りに行かないのが現実。現代社会にもあり得る現象だと思い、怖かったです。

 主演がドイツの俳優ではないし台詞も英語ですが、それを差し引いても心に残るいい映画でした。実話の重みがあります。夫妻の勇気ある行動、最期の毅然とした姿勢には、人間はどう生きるべきか考えさせられました。
☆☆☆☆



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「たゆたえども沈まず」「ゴッホのあしあと」 [本]

たゆたえども沈まず

たゆたえども沈まず

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2017/10/25
  • メディア: 単行本


「たゆたえども沈まず」原田マハ著

 19世紀末から20世紀にかけてパリで日本美術を広めた日本人の画商、林忠正は実在した人物らしいです。しかし彼と、画家のフィンセント、弟で画商のテオのゴッホ兄弟に交流があったという記録は残っていない。本著はもし彼らが出会っていたら、という仮定の下で書かれたフィクションです。

 林の部下で架空の人物、加納重吉を加えた4人の交流を通じて、ゴッホ兄弟の数奇な運命を描いたストーリーは非常に読み応えがありました。当時のパリの浮世絵ブームやそれらが印象派に与えた影響も興味深かったです。

 芸術に造詣が深い原田マハ氏ならではのテーマと魅力的な文章。彼女が描く芸術の世界は本当に面白くてワクワクします。


 印象派が少しずつ認められ始めた時代、更にその先を目指したために不遇のままこの世を去ったフィンセントと、彼を支え続けるも苦悩を深めて行くテオ。互いへの焦燥、怒り、負い目、様々な葛藤を超えた兄弟間の深い絆がリアルに表現されていました。

 彼らの激しくも儚い人生を思うといつも胸が痛みます。しかし、小説のような、ゴッホ兄弟と林や加納との交流が本当にあったかも知れない、そう思うと彼らの魂だけでなく、私まで心が癒される気がして、物語の力を改めて感じました。



 この後「ゴッホのあしあと」も読みました。

ゴッホのあしあと 日本に憧れ続けた画家の生涯 (幻冬舎新書)

ゴッホのあしあと 日本に憧れ続けた画家の生涯 (幻冬舎新書)

  • 作者: 原田 マハ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2018/05/30
  • メディア: 新書

「ゴッホのあしあと」原田マハ著

 「たゆたえども沈まず」執筆に当たっての著者の想いや、ゴッホの作品の解釈、フランスのゴッホ所縁の地を辿った旅の感想など、こちらも面白い内容でした。


 ちなみに「たゆたえども沈まず」はパリ市の歴史の象徴で、古くから使われている言葉だそうです。何度苦難を経験しても決して滅びる事なくその度に復活した、そんなパリの人々の誇りを表す言葉。苦しみながら多くの傑作を残したゴッホに正に相応しいと思います。



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「わたしは、ダニエル・ブレイク」 [旧作(DVD・TV)]

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I, DANIEL BLAKE
2016イギリス/フランス/ベルギー

監督:ケン・ローチ
出演:デイヴ・ジョーンズ、ヘイリー・スクワイアーズ、ディラン・フィリップ・マキアナン、ブリアナ・シャン、ケイト・ラッター、シャロン・パーシー、ケマ・シカズウェ

 ケン・ローチ監督の作品は気が滅入るので覚悟して観ました。本作は監督がカンヌで「麦の穂をゆらす風」に続いて2度目のパルム・ドールを受賞した社会派ヒューマン・ドラマです。


 格差が進む現代社会で排除されそうな中年男性ダニエルが主人公です。

 妻に先立たれ一人で暮らすダニエルは、長年大工として実直に働いて来たが、心臓を患い医者に仕事を禁じられる。そこで国の援助を受けようと、役所を訪れるが完全にシステム化された手続きをなかなかクリアする事が出来ない。そんな時彼は、二人の子どもを育てるシングルマザーのケイティと出会い、同じく苦境の中にいる彼女を気にかけるのだが・・・。

 役所職員の心の通わない事務的な対応には怒りを覚えます。こつこつ働いて真面目に税金を納めてきてこの仕打ち・・・。生活苦でプライドが砕かれ、その上追い討ちをかけて人間の尊厳を奪って行く行政のあり方に失望するばかりでした。

 働けないから援助が必要なのに、申請の為には求職活動をしている証明が必要だという。矛盾した条件に振り回されて行き場を失ったダニエルは、ついに感情を爆発させます。彼が必死に訴える〝私はダニエル・ブレイクだ。人間だ。〟という言葉が胸に突き刺さります。


 確かに暗澹たる思いが残りますが、ダニエルとケイティ家族との人間らしい交流は唯一の救いでした。

 主演のデイヴ・ジョーンズはイギリスの人気コメディアンらしい。深刻な中にもユーモアが感じられて、善き人間ダニエルにぴったりのキャスティングだと思いました。

☆☆☆


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「羊と鋼の森」 [映画(新作)]

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2017日本
監督:橋本光二郎
原作:宮下奈都

出演:山崎賢人、三浦友和、鈴木亮平、光石研、上白石萌音、上白石萌歌、堀内敬子、仲里依紗、城田優、森永悠希、佐野勇斗、吉行和子


 ピアノの調律師になった青年が、先輩調律師や様々な顧客との関わりを通じて、迷いながら成長していく・・・。


 第13回本屋大賞に輝いた宮下奈都の小説が原作です。最近私も読みましたが、映画は原作の世界観が的確に表現されていたと思います。ピアノの構造、調律の作業工程や道具が映像化されると更に入り込み易かったです。

 小学生の頃ピアノを習っていて調律師の人もたまに家に来ていたけどあまり覚えていなくて、こういう仕事なんだと今更ながら興味深かった。

 そして、調律の難しさと奥深さに挫けそうになりながらも、仕事に真摯に向き合う事で自立して行く主人公の姿に胸が熱くなりました。彼の仕事に対する誠実な姿勢、その大切さはどんな仕事にも当てはまる事であり、人が生きるという事なのだと思いました。


 山崎賢人の演技はそれほど見たことがないのですが、原作の主人公のイメージとは違うような気がしていました。でも間違いだった。彼の演じる等身大の青年、とても良かったです。ピアノに向かう時の真剣な眼差しが印象的でした。

 三浦友和の渋い演技、上白石萌音&萌歌姉妹の瑞々しい演技も良かった。


 深淵な音の世界と重ねた北海道の森の風景の表現が素晴らしくて、美しい音楽を聴いた時って本当にこんな感じだと思いました。

☆☆☆



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「万引き家族」 [映画(新作)]

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SHOPLIFTERS
2018日本

監督・脚本:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ、樹木希林、松岡茉優、城桧吏、佐々木みゆ、柄本明、高良健吾、池脇千鶴、池松壮亮、緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美


 年金暮らしの老女の元に集まる一組の男女と若い女、少年、という赤の他人たち。大人が細々と働いて得た収入と、万引きを繰り返すことで、支え合って生活している。そこに、ある日親に虐待されていると思われる少女が拾われて来る。


 血の繋がりを超えた人と人の絆が描かれていました。


 窃盗も、子どもの虐待も、育児放棄も、犯罪の低年齢化、年金詐欺、貧困、全てが日本の社会の現実です。そして現実はこの疑似家族のように情のある人ばかりではないと知っている分、この家族の幸福に包まれた瞬間はユートピアのようにも思えました。

 一方で、少なくとも映画の作り手、演者は、このような底辺の生活とは無縁の人たちです。そして観る者は私も含めて、自分とは無縁の世界もしくは無縁でありたいと思う架空の世界、ある意味他人事です。そんな事を考えるうち、観ていて何だか息苦しくなりました。

 救いようのないストーリーなので、映像化するに当たって是枝監督は相当な勇気と覚悟が必要だったと思いますが、監督の力量を感じる脚本と演出、俳優の演技が素晴らしかった。心を掴まれるシーンがいくつもありました。特に安藤サクラのリアルな演技には引き込まれました。

 芸術性も高くいい映画だと思いましたが、感動とはちょっと違うかも。どうしようもないやり切れなさが心に残る作品でした。

☆☆☆



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